Dreamtourのバラ模様のちびTを着て、Hyde Parkに向かったのは13:00過ぎ。今回、ライブチケットの発券・発送遅延トラブルがあったので、予約はあるもののチケットは持っておらず、本当にCureを観ることが出来るのかちょっと不安なまま、バスに乗った。

Route of Kingsというこのライブ、Hyde Parkで行われるロックフェスティバル（？）で、20日から28日まで、日替りで様々なバンドが出演する。他の出演者は、Bryan Adams、Meatloaf、Paul Wellerなど。The Cureが出演するこの日は、A Night Like Thisというサブタイトルがつけられており、ゲストにJoseph Arthur、The Cranes、 Mogwaiが出演。また、The Cure結成25周年のanniversary showで、この夏のフェス・ツアーのハイライトでもある。

天気は晴。日ざしが強く、結構蒸し暑い。Hyde Park自体は非常に広いが、地下鉄の Hyde Park Corner駅からそう遠くないところに、塀に囲われた屋外ライブ会場が設けられている。

写真撮影：Todo

14:00を少しまわった頃、会場横のbox office前に到着。私同様かなり多くのファンがチケットをここで入手すると思われる。Cure Tシャツを着た人が既にたくさん並んでおり、私も並んで待つ。フランス語が多く聞こえる。25分くらい待って、やっと、念願のLOVELY souvenir ticketをゲットぉ！！チケットなしでロンドンまでやって来てしまったので、いちおうほっと一息。半券を切られる前の状態をスキャンしたかった、、、とちょっと残念だったけれど、でももう既にわくわくよぉ！

15:40頃、先程のbox officeとは正反対にあるentrance前に行く。Cureファンと思われる人々がもう結構集まってきている。思っていたより集まりが良さそう。開場は16 :00。セキュリティチェックで、かばんを調べられ、水などのペットボトルを持っている人は何か言われたりしていたけれど（蓋がダメらしい。）、私のカメラはそのまま持ち込めてしまった。会場内ではオフィシャルグッズの販売やバーがあり、なんとタダでカップアイス（でかい！）も配っていた。おかげでそこら中にアイスを食べる人々が。口紅こそしていなかったけれど、水玉シャツにふわふわ頭のRobertコスプレの人がいて、注目を集めている。CureのTシャツの人は勿論たくさんいるけど、何故か他のバンドのTシャツの人も、結構多い。私が見ただけでも、The Smiths、Nick Cave、Ramones、Radiohead等々...。ゴシックな人は少なくはないが、思った程は多くない。

16:40からは、まずゲストの演奏。この3組は、おまけ的な意味合いからすれば、結構良かったけれど、やっぱり観たいのはCure。ゲストの演奏がすべて終わると、皆それぞれに何気なく前方に詰める。私は、RobertとRogerのちょうど真ん中くらいと思われる辺りの、前から4、5人目くらいの場所を確保した。周りはSpanishと思われる人々が大半で、そんなに背が高くなくて、ちょっと頭越しにはなるけれど、まあまあステージが見えるような感じ。

20:00、さあいよいよ、大声援と共にThe Cure登場！入場してから既に4時間が経過。Plainsongの前奏が始まり、Robertはいつも通りステージを歩いてまわる。体型は前とそんなに変わっていないけれど(^^;、観客が向けるカメラににっこり微笑んだりして、貫禄十分。見上げる感じ、のせいもあって、まさにKing！といった風でした。 Simonは黒のタンクトップで、髪の毛はちょっと短くなったような...。ノリノリの Baby screamが終わって、Drowning manが始まると、いきなりゴシックなイっちゃってる系の3人組が後方から、超迷惑なことに私のすぐ横に乱入。踊りまくり、頭ふりまくりで、髪の毛がばしばしぶつかって、演奏に集中できない。珍しい曲なので、もっとよく聴きたかったのに...。 彼らはこの少し後で肩車なんかを始めて、セキュリティに怒られていた。場所の選び方を失敗したかも？この日のFrom the edge〜は、スピード的には違和感がなかった。最近の（Porlがいなくなってからの）ものとしては、割と良い出来だったのではないだろうか。勿論、Perryのギターは、Porlのような華麗な演奏ではなかったが...。

ステージの両サイドに設けられた2つの大型スクリーンがRobertのアップを映し出すたびに声援が起こる。観客は、1曲目からずーっとRobertの声が聞こえないほどの大合唱。気が付くと、前後の位置は大して変わらないものの、横方向Robertの正面付近まで押されていた。この辺は前方に背の高い人が多くて、正面にも関わらずRobertが全然見えない。Simonは非常によく見えたのだけれど...。隙を狙って少しでもステージに近づこうとする者は、後を絶たない。

39の時に何か機材のトラブルがあったようなのだけれども、それすらもわからなかった程、私の周りは地獄の様相と化していた。もう後を振り返ることすら出来ない。皆思いっ切りテンション高くて、歌いまくりで踊りまくり。倒れそうになる人もあり、もみくちゃにされながら必死で立っているのが精一杯だった。全然隙間なんかないのに煙草吸ってるし、思いっ切りひじ鉄も食らったし。カバー曲の2曲は聴きどころだったはずなのに、それどころではなかった。

写真撮影：Todo

後半は、正直演奏を聴くどころではなかった。まるで日本にいるかのように蒸し暑く、ラッシュアワーの電車のように始終押されっぱなしで、常にバランスを崩さないように気を付けていなければならなかった。興奮状態のstanding areaにあって傍観者的に振舞うことは最早絶望的。Inbetween daysに続いて、Just like heavenなんか演っちゃ絶対ダメよぉ！もう観客も歯止めが効かなくなっていて、さらに盛り上がる。一緒になって叫んだりしていたけれど、なんだかステージと観客席は、まるでTVでも観ているかのように遠く離れているような気がした。私がそう感じただけだろうか？意識が朦朧としていたのかも知れない。遅い闇が完全に降りる頃、やっとBoys don't cryの大合唱が終わる。名残を惜しむ声援や叫び声や拍手にかき消されて、Robertの最後のMCは、私にはもうまったく聞こえなかった...。

Cureが去った後の会場は、なんだかあっけないほど淡々と事務的で、終演と共に打ち上げられた花火も、美しかったけれど、余韻を楽しむには少々不適切だった。

2時間5分は、Cureのライブとしてはホントはカナリ短かすぎるのだけれど、これ以上演ったら生きて帰れるか定かではなかったのもホントウ。帰り際に倒れている人も見たし...（彼は大丈夫だったのだろうか？）。violentな経験だったわ。seatedにすればよかったと思ったことも、ライブの間中何度もあった。ここで、1年分くらいの汗をかいた。水が飲みたくて、ふらふらした。

セットリストには、Greatest Hitsに収録の新曲はなく、どちらかと言えば、darkで heavyな曲が多かったかも。まあ、少なくとも私の周りの観客はめちゃくちゃ盛り上がっていたから、どんなセットでも全然関係なさそうだったけれど。25年のキャリアを振り返るような20曲+カバー2曲だったけれど、なんだか少し物足りない。決して Cureに熱狂する観客を見に来たのではない。Robertの声が聞こえない程の観客の歌声を聴きに来た訳でもない。演奏自体はまずまず良かったと思う。特に際立った点はなかったけれど、少々の機材のトラブルを除けば、まあそつなくこなした、という印象。Robertの声は本当にしっかりしていたし、Simonは、聴かせどころはなかったけれど、いつも以上のパフォーマンスで良かったと思う。　...でもね、Disintegrationを演っちゃうと、ドラムがすごーく下手な気がしちゃうのよね（私だけ？）。それと、他のフェスでもやったみたいだけれど、Bloodflowersの後のPornographyや Disintegrationはどうかと思うわ。Bloodflowersでもう終わりなのかと思ってしまった。アレンジもそんなに変わったものもなかったように思えたし、設備の問題もあるのだろうが、照明もあまり派手ではなかった。The kissもA forestも100 yearsも、後に長くひかない、どちらかと言えば、あっさりした演奏だった。もっとディープな Cureを観たかったのも本当。まあ、あまり演奏は聴けた感じがしなかったけれど、25周年のspecial showに居合わせられたことと、少々熱狂的すぎる観客たちのおかげで野外ライブの醍醐味（？）を味わえたこと、Robertの写真が撮れたことで、良し...、かな？

帰り際にTime Outを買った。バスの中で、Robertの記事を読んだ。