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| 95年6月23日（金）〜25日（日） Glastonbury Festival '95, England （Earl Grey No.29より） |
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| 砂ぼこり、劣悪なトイレにシャワー設備、キャンプには適さない丘陵地でのテントに寝袋生活。 夏とは言え昼と夜とでかなり違う気温、 絶えずあたりに漂っているマリファナの匂い、10数万人ものオーディエンス。 どこを向いても人、人、人。 喧嘩にこぜりあい、置き引き注意の掲示板。 アルコールの入ったBritishはとても紳士的とは言えない。 Glastonbury Festivalをまるまる3日間 楽しむ為には、相当タフな精神と体力が必要。 94年全くファンの前で演奏する事がなかったThe Cure。 今思えばLolの起こした起訴も 少なからず影響していたのだろう。 それにしても…だ。 バンドはライブが命。 95年のグラストンに彼等が出演すると知り、迷わず行くぞ！ 行くしかないと何の予備知識もなく怖いもの知らずで乗り込んだ時の模様を The Cureのステージ・レビューも含めてレポートします。 |
  写真は全て'95 Glrastonbury FestivalのTV放映より。 |
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英国でも有名な野外コンサートの1つGlastonbury。 普段牧場として使用されている広大な敷地にピラミッドと呼ばれるメインステージ（勿論 The Cureもここでプレイ）の他 ジャズやアコースティックなど音楽物のステージだけで合計6ケ所、演劇用シアターが3ケ所、サーカス小屋にキッズコーナー、映画用巨大スクリーンに環境問題を扱うブースや入れ墨や鍼灸コーナーなどもあり音楽以外の事も楽しめる造り。 出演バンドはOasis、ギターのバイク事故でキャンセルされたThe Stone Rosesの代理で 急遽出演のPulp、その他 Everything But The Girl, Jamiroquai, The Prodigy, Supergrass, PJ Harvey, Sinead O'Connor, The Bootleg Beatles（ソックリ！）, Orbital, Dodgy, Soul Asylum, Roger Daltrey等々。 このメンツの中で大トリを務めるThe Cure！ ちょっと得意な気分。 現地で購入したプログラムのバンド紹介で Borisが抜けた事を知りガッカリ、しかし考え様によっては 新生 The Cureのおひろめに立ち会える訳だとすぐさま気を取り直す。 |
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| 冒頭に書いた様な不愉快な状況に3日間も身をおく内、次第に精神がボロボロっと崩れ始め、遂に彼等が出演する日の当日朝、目覚めと共にキレる。こうなったら何がなんでも1番前で見ると決意。The Cureの2バンド前からステージに近づき（その時は髪の毛をそっくり剃り落としタイ国あたりのお坊さん風コスチュームを着た元The CureのPorlがギタリストで参加していたPage&Plantが演奏。）、The Cureの前座 Simple Mindsの時は前から2番目に… この時点になると前に詰めてる客は殆どThe Cure目当て。 彼等の演奏途中オーディエンスの真ん中辺りから「WHY DON'T YOU JUST F★★K OFF（トットと 引っ込め）」と大きく書かれたバナーが出される。こっちの客はとてもシビア。 歌っているJim Kerrからもしっかり読み取れた事でしょう。 |  |
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狙い通り、私の前で乗り乗りだった太めの女性は Simple Mindsのファンだったらしく、彼らの（退屈な）演奏の終了と共にポジションを離れたので、そのスペースに入りこみ念願の1番前ちょっと脇を獲得。 The Cureのサウンドチェック（と言ってもテープを流しマイクのチェックをする位なのですが、それでも"ガシャーン"というガラスの割れた様な音が流れると、スゴイ今日は"Disintegration"が聴けるなどと盛り上がる）を聞きながらこれから演奏される曲に想いをはせていると、ステージ脇にビデオで観客を映しているPerryを発見！ ワーイと手を振ると、ビデオをのぞき込んだまま手を振り返す律儀なPerry君。彼のプライベートビデオだったのでしょうか… | ||||||||||
| そして辛い日々を我慢し耐え抜いた私達の前にやっとThe Cureのメンバーが… "Want"で始まったオープンニングからオーディエンスの熱は一気に上がる。皆なこの時を待っていたのねって感じる熱い乗り。 それ以上に驚いたのは、長いブランクを全く感じさせない 堂々としたThe Cureの演奏ぶり。海外でのライブの評価の高さが身をもって分かります。 "Fascination Street" "A Night Like This" "Pictures of You"とおなじみの曲が快調にプレイされてゆく。 やっぱりPorlが抜けたせいでギターが弱くなったきらいはあるものの、その分 Simonのベースが中心になってブンブン曲全体を引っ張って行く感じ。 |  |
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ファン以外の客もこの曲だけは知っているとばかりにダンス天国になる"Lullaby"。 しかしこの辺りから、中央の群衆は押し合いが激しくなり、酸欠状態でセキュリティに助け出される観客が男女共何名か… せっかくここまで頑張ったのにね、残念無念って感じかも。アクシデントを避ける為には、少し脇にポジションを取るのが安全。 "Just Like Heaven" "High" "Trust"と続き、この夜初めて耳にする "Jupiter Crash"が演奏される。何て美しい曲なんだろうとウルウル。 "Dressing Up" "A Strange day" "Push"と 昔からのファンが喜ぶ選曲の後は、またしても新曲"Mint Car"を演奏。ポップな乗りは"The Walk" "Let's Go to Bed" "Friday I'm in Love" "Inbetween Days"と続く。 <ポップだけどヘビー>とこの辺りはまさにプログラムにあった "... from major cult outfit to heavyweight pop contenders..." （メジャーなカルトバンドから 重量級のポップバンドへ…）と言った乗り。 |
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| 重く深く厚い音のシャワーを浴びている様なThe Cureのライブ。 "From the Edge of the Deep Green Sea"が プレイされる頃には心も身体もすっかりナチュラルトリップ状態。 The Cureの曲を聴く度にいつも感じるとても幻想的な、まるでどこまでも続く暗く深い闇の中を漂っている、そんな切ない雰囲気に包まれる。 "Shiver and Shake"の後は お待ちかねの"Disintegration"。 この夜はかなりスローなアレンジ。 疾走感はないもののRobertの歌唱力が際だつ1曲。 最後の曲"End"では（その前に新曲を聴いていたにもかかわらず） 本当にこのまま解散宣言でもして終わってしまうのではないかと真剣に心配になった程、Robertの"気"が曲に入っていて怖い位でした。 しかし期待を決して裏切らないThe Cureは 見る度にどんどん夢中になってしまうバンドで、大満足でした。 何と彼らの演奏を含めて7 時間立ちっぱなし、トイレにも行けない状況でしたが、やれば出来ると俄然気力と体力に自信がついたのも事実。 翌日ロンドンに戻ってやっとちゃんとしたお風呂に入ったら、本当にお湯が茶色くなり、これってまさしく "I'll never be clean again"って感じだなって… （悲しい。マジで汚れてるんだもん）。 この後もThe Cureの追っかけでいろんな事を体験しましたが、何がきてもあのグラストンに比べればチョロイもんだと思えるんで確かに貴重な経験だったかも。 PS：この夜メンバーは 家族同伴だったらしく、ステージと観客をしきっているスペースに椅子がおかれ、おじいさん（Robertのパパ？）から子供までお座りして The Cureのステージを楽しんでいた模様。あと"End"ではPorlも友情参加してました。 （No.127:KT）
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| last updated 1999 06 26 |