2002年11月9日Hamburg、Color Line Arenaにて。
写真提供：Joke & Andre、オランダ" freshly squashed fly"サイトより。

The Trilogy Showsに挟まれたかたちのハンブルグのショーは多分 POPなものになるだろうと予測はしていた。 そしてWishなど Trilogy以外のアルバムの曲を 沢山演奏するだろうとも。 結果から言うと、ここまで演っちゃう！ ってびっくりするほど、超 POPなステージ。 噂通りThe Greatest Hitsベースのセットリストだったとも言えるかな。

もうすっかり陽も落ち気温も下がった午後 5時に会場のColor Line Arenaに到着。 隣は大きなサッカースタジアム。 ちょうど試合が終わる頃らしく、大歓声が 聞こえ、程なく沢山の人が出てくる。 6時半に開場。 なんとゲートでは金属探知器を使ってのボディチェック。 これもテロの影響よねぇ〜。 会場は出来たばかりでぴかぴか。 キャパは15,000とちょっと大きめ。 今夜はスタンド席なので、まず自分の席をチェックし、TrilogyのTシャツを購入。 私が買ったタイプのTシャツはベルリン初日で売り切れたので、早めに買っておいて良かった。

アリーナ部分に目をやるとちょうど真ん中あたりにバリアがもうけられており、前と後ろに分断されている。会場が早かった人は黄色のリストバンドを付けられていて前に入れるけど、それがない人は後ろで我慢。これはとっても賢いかも。常にステージ前は大混乱になるから、こうやって人数制限するのは正解だと思う。 実際アリーナ前部分で観た友人はスペースがいっぱいあり、押し合いへし合いもなく楽だったそうですよ。

8時半頃、メンバーがステージに登場。 RobertがHelloとご挨拶。 そして最初の曲はWant。 メンバーみんな黒い服着用。 Rogerは黒の長袖シャツ、Robertは赤い星のマークが入った黒のTシャツに柔らかそうな生地の 黒の長袖シャツとやっぱり 緩そうなスラックス、Jason も（確か）黒の半袖シャツ、Simon は黒のタンクトップ（冬なのに…）にスパッツとDrマーチンの10ホールブーツ（まっ、いつものSimon Styleですね）、Perry は黒のTシャツと言った出で立ち。 愛するSimonのために 3本のビンビールがアンプの側に置かれている。 Robertには（中に何が入っているか分からないけど）オレンジジュースのグラスがおいてある。 Simonは髪を赤く染めていた。 全くいつも見るたびに髪型が変わってるね。 RobertのAh〜Ha〜Ha〜のかけ声でShake Dog Shakeが演奏される。 うぅ、カッコイイ、それに元気いっぱい。 3曲目はSimonのベースラインからイントロが展開していくOpen。 この始まり方にはいつもウルウルしてしまう。 Robertのギターも素敵。 でもなんと言ってもこの曲の間は、Simon に目が釘付け。 Robertの歌とシンクロする形で 激しく膝を折りベースを弾く彼の動きの美しいこと。 ため息…

4曲目は今夜初のびっくりHighを演奏。 ライブで聴くのはすっごく久しぶり。 うぅ、嬉しい。 でもイントロにキーボードの音がなくて、ちょっと感じが違う。 Robertはとても丁寧に歌っていく。 そしてロマンチックでドラマチックなA Night Like This。 The Head on the DoorからとRobert が曲紹介してThe Baby Screams。 もうRobertの第一声 Heaven〜から勢いよく始まるこの曲はとてもとても彼の声がのびる。 会場全体すっかりキュアーの音に魅せられてしまったところで、From the Edge of the Deep Green Sea。 やっぱりギターは致命的に弱いよ。 恐るべし、Porlのレスポールの威力。 でも何とかメンバーみんなでカバーしているし、put your hands in the skyで 両手を思いっきりあげたあたりから、もう どっぷり曲の世界に入り込んでしまうの。 If Only Tonight We Could Sleepで少しクールダウン。

The Kissは私の中で 2002年版キュアー・ライブいち押しの曲です。 ハードで、タイトで、パワフルで、ライブならではの醍醐味がぎっしり詰まった曲なんだもん。 イントロのザッザッから、Robertのギターが入り、だんだんメンバーのテンションがあがっていく。 それはもう、ぞくぞくしちゃう鳥肌もの体験。 Robertの弾くギターってどうしてあんなにサイケデリックな音が出るのでしょう。 Ah〜とRobertが叫んで、またイントロと同じくザッザッと音を刻んで締める曲の終わり方も素敵。 TortureでもサイケなRobertのギターがこだます。 そのあと演ったThe Drowning Manもだぁい好き。

今夜2度目のびっくりはノーマルなテンポで演奏されたCharlotte Sometimes。 夏フェスで聴いた時は滅茶苦茶スローにアレンジされていて、ちっ、これもまた Jason Versionかとあきらめていたのに。 Jason特訓させられたのだろ〜か。 95年にバンドにジョインしているにも 関わらず、いまだにファンの間ではNew Drummerと言われてしまうのも可哀相。（でも私もそう言っちゃう。 ごめんね、Jason）Robertのギターから勢いよく始まるPush。 メロディラインとか大好き。 ロバちゃんの声もすごく曲に乗っているというか、なじんでいる感じがする。 Simonのベースも軽やかに曲を支えているし、Jason のドラムもちょっと冷や冷やするけど、悪くない。 多分私は個人的にRobertのキーが高い曲が好きかもね。 オーディエンスがとっても喜ぶInbetween Days。

そして、3度目の嘘だろはPrimary！ アレンジがポストパンクぽい堅ぁ〜い音で、すごく硬質な感じ。 間奏もメリハリがきいていて、なんか すごく男性的な作りになってるの。 う〜ん、言葉で表現するの難しいなぁ〜。 もしかしてこの曲は今後ライブの華になるかも…Just Like Heavenで会場はダンス天国。 スタンド席のオーディエンスも総立ち状態。 この曲のあとのPlay For Todayでは ParisのCDにあったように間奏のあいだ観客がwowowow〜と歌っていて曲を盛り上げて行くの。 野太い男性の声が大半を占めていて、ヨーロッパでは圧倒的に男性ファンが多い事を思い出させる。そう言えば私がパラサイトしているヨーロッパ組のキュアーファンも2名とも男性でした。

しかしドイツってすごく客層が良い。 ちゃんと演奏を聴いて楽しんでいるもん。 バンドへのリスペクトも感じられるし… イギリスみたいにただ酒飲んで 騒ぎたいだけって輩がいないのが、しみじみ嬉しい。 最初から最後までRobertと一緒に声はりあげて歌うはた迷惑なフランス野郎もいないよん。 いい気分になった所でShiver & Shake。この曲もPrimary 同様、Bass n' Drumがベースで、怒濤の様な音の洪水、そしてRobertの叫び声。 本当にのどの調子良さそう。（私は苦手な）Endでメインセットは終了。

1度目のアンコールは、Three Imaginary Boysから始まる。 可愛い曲ですよねぇ〜。 ハードな曲ばかりでなく、こういった曲もある所がキュアーのステージに広がりを与えていると思う。 この曲の前にRobertが何かコメントしたのですが、すみません、聞き取れませんでした。 regretが何とかって言ってたんだけど… このあとはキーボードの音がとても美しいM。 スクリーンにはいつも通り赤く大きなMの文字が… ふむ、メアリーって世界で一番幸せな嫁じゃないかしらってこの曲をライブで聴くたびに思うよ。 4度目のびっくりはRobertがドイツ語でone, two, three, fourとかけ声かけて始まったGrinding Halt。このあたりの曲を演っている時、タンバリン叩くしかないRogerはちょっとよそ者っぽく見えちゃうの。 このあとのBoys Don't Cryもね。

あぁやっぱりPOPな内容だぁ〜と思いながら、2度目の アンコールに突入。 何となんとClose To Meですよ。この曲をライブで聴くのは（多分）初めて。 あ、Robertがハンドマイクで動いている（踊っているとも言うかも）。 なるべくステージが見えにくい右端や左端のスタンド席のファンにその姿をご披露している感じ。 勿論ファンは大喜びさぁ〜。う〜ん、こうなると、もう どこまでもPOPで突っ走ってくれたまえって気分になる。 勿論私が思うまでもなく彼はそうするつもりだった様で、次の曲はLet's Go To Bed。この曲もライブで聴くのは久しぶり。 以前はあまり好きじゃなかったけど、今回は懐かしさもあってwelcomeだ。 この曲で踊るRobertを初めてみた時は絶句したなぁ〜と遠い思い出まで蘇る。 今夜は踊らなかったけどね。で、次の曲は、イントロでそれとすぐ分かる、Friday I'm in Love。 凄いぞ、凄すぎ、倒れてしまいそう。 どこまでも続くHappy side of the Cureじゃん。 じゃぁさ、Why Can't I Be You?も演ってくれる？ なんて念じていたら、本当に RobertのAh〜Ha〜から、始まってしまった。 怒濤のポップ4連発、結構効きます。 会場全体が踊りまくりの、歌いまくりのmake me make me make me make me hungry againです。

3度目のアンコールはちょっとテンポが早めのA Forest。ショートヴァージョンって 言うんですか。 ここでもSimonのベースが素敵。 動きもしなやか。 いつも通りSimonのブンブンで 終わるのかと思ったら、曲は Foreverに変わっていき、とてもエモーショナルな雰囲気に。 Robertの呪文の様な歌がだんだんと叫びに変わって行くところは圧巻。 確かこの曲はライブでしかやらないんですよね。 しかもかなりレア。 最後はギターとベースのテンポが どんどん速くなっていって、また（今度は 違う意味で）倒れてしまいそう。 RobertはThank youとだけ言って引っ込む。 んっ？と言うことはまだ続きがある?！ だってRobertがThank you. に続けて Good night.と言えばそれが Showの終わりを意味するわけだから… まだあるんだぁ〜！ えぇ、じゃあ、このあと何を演奏するんだろ。 ワクワク。

RobertがThank you. We wouldn't do this, butと言ったあと One Hundred Yearsのイントロが… 4度目のアンコールはPornographyから この曲、DisintegrationからはFascination StreetそしてBloodflowersからは This is the last songと言って 同名曲を…それぞれのアルバムから １曲ずつ演奏して11日・12日のThe Trilogy Concerts in Berlinへと期待をつなぐ。 う〜ん、なんて憎い演出なんでしょう。 そして、最後はいつも通りThank you very much. Good night. See you next year! Thank you！ と言ってステージを後にしたRobertでした。