昨夜の熱が全く冷めない翌日、昨日のステージは良かったねぇ〜、多分この夏フェスの中でも一番いいんじゃないかなぁ〜、でも新曲やんなかったね、なんて話しながら車で5時間アウトバーンをブンブン飛ばしてGlauchauに到着。旧市街はまるで映画のセットの様なたたずまい、しかも人の気配が全くない。日曜日だったからかも知れないけど、シーンと静まりかえっていて生活感がないんだな。ベルリンの壁が崩壊して10数年たっているのに、いまだに旧西ドイツと東ドイツの違いは顕著に出てます。（みんな英語出来ないし…でもとっても親切）あまりに静かすぎて、本当にここでフェスティバルが行われるのかな？って不安になるくらい。

しかし会場が近づくにつれ、音も聞こえてくるし、コンサート目的のオーディエンスにも会う。やっぱりここもGoth天国、しかも服装は昨日よりハードコア。この日はお天気も良く、Woodstage Open Air Festivalと銘打つだけあって、池が側にある森の中に小さなステージが作られていて、とってもいい感じ。規模は昨日のZilloよりも全然小さい。それでもキュアーの一つ前のバンドが最後の曲をやっている時にするすると前に行き、キュアーの時はちゃっかり１番前。これで2回とも最前列。真ん中には行けないけど、まずまずだったかな。ただこの夜のポジションは照明のやぐらがじゃまして、ロバちゃんの姿は首から下、殆どギターと足だけしか見えなかったのですが、Love Love Simon君はばっちり見えたので、私的には全然OK。

スケジュール通り、夜9時にメンバーが登場。この時間、夏のドイツはまだ日没前。明るい日差しの中でのキュアーのステージは「Out of This World」で幕開け。でもサイモンのベースが聞こえない。アンプのトラブルだったみたいですが、サイモンは特に焦る風もなく、セッティングしたローディをなじるでもなく、淡々とプラグをつなぎ直して演奏に戻ってゆく。いいなぁ〜、このクールさ。

結果から言うとこの夜はあまりライブで聴きたいとは思わない曲「End」「Lullaby」「Fascination Street」等々のオンパレードで、私にとっては裏キュアーの夜でした。それでも「Night Like This」をまたライブで聴けて嬉しかったし、「The Baby Screams」も涙もの。ロバートの声も良く出ていました。しかし、何と言っても「One Hundred Years」！今まで何度もライブで聴いている曲だけど、この夜の演奏が一番素敵だったな。この曲を演奏している時のサイモンの肩や腕の動き、ベースの音。私にとって彼のBass Soundは確実に美しいものの一つだと再確認する。この後で演奏された「39」と「Bloodflowers」の時もまだ「100 Years」の興奮を引きずってましたもの。

アンコールの1曲目は、何と新曲「Cut Here」を演奏。まるで気持ちが通じたみたい。と言うかロバートには私たちファンの心理なんてお見通しなのでしょうね、きっと。その後の「Love Song」もライブで聴けて嬉しい曲の一つ。「Inbetween Days」「Just Like Heaven」で回りのオーディエンスは乗り乗りなんだけど、私的にはちょっと飽きが…（この贅沢もんがぁ〜って思います？ごめんね。でも一番好きなアルバムが「Disintegration」、その次が「Pornography」のわたくしには少々ポップすぎちゃって…）

2度目のアンコールは、ロバートが「センセーショナルな事するよ」って宣言して、知らない曲を演奏し始める。「Faith Healer」はAlex Harvey Bandの「Don't Believe a Word」はThin Lizzy の曲だそうな。この2曲を演奏している時はメンバーみんなニコニコ笑ってるし、リラックスして楽しんでいるなぁ〜って感じが伝わってきました。これも私の憶測ですが、Zilloの時キュアーの2つ前に演奏したMissonがアンコールで「もう持ち歌がないから…」って（私は冗談だと思ったんだけど）デペッシュ・モードの曲をやったのね。ロバちゃんはそれをバックステージで聴いていて、僕らもやってみようって思ったのかも…最後は昨日とは全くアレンジが違う「A Forest」。ロバートのギターとサイモンのベースが絡みまくって、うねっちゃって、とってもパワフル。満足感と共に2002年版キュアーを見送ったのでした。

多分、今回の様なperformanceを去年のロスキレで期待していたのかも知れないって感じたドイツでの夏フェス。1年遅れでかなったって感じかな。いつもの事ながら、会うたびにどんどん好きになる、バンドもサイモンの事も。キュアー友達とも常に楽しい思いを持ち帰る感じ。特にZillo Festival、あのライブの現場に居たって事は後々自慢の種になりそう。