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Mark Plati - レコーディングに関するコメント 1st October, 2001 |
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「The Greatest Hits」収録の新曲を
ロバートと共同プロデュースしたMark Platiが
自らのホームページwww.markplati.comに
10月1日付けで掲載したコメント。 訳：The Cure fan club "Want!" Earl Grey 編集室 |
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ときどき、電話が鳴る・・・。いつもは誰かしら僕の知っている人、友達や 家族からだ。 あるいは、仕事の電話で、レコード会社の人や マネージャーとか。 時には、質の悪い電話の勧誘販売などで、猫の生命保健とか 役に立つ何かを売りつけようとしたり、ゴルフ雑誌の購読を させようとしたりね。 さもなければ、間違い電話だったりする。 ごくまれには・・・、4 年に一度と言ったら、それは ロバート・スミスからの電話だ。 僕は、1997年に、シングル"Wrong Number"（偶然にも タイトルは"間違い電話"）で The Cureと一緒に仕事をした。 素晴らしい経験だったけれど、アイデアを引き出すのに 苦労した一曲だった。 僕の前に、二人のプロデューサーが関っていたんで、 僕は、ロバートの新しいアイデアや ゲストのReeves Gabrelsがレコーディングした 約12のギターフレーズを生かすことのみならず、全ての 未解決の問題に縛られた。 全制作工程にかかったのは4日間だ。 ほとんど毎分、ロンドンのウエストエンドまで 駆け足で旅しているようなものだった。 その間には、（1）僕は時差ぼけを 克服する必要もなかった、（2）タイムコードを 消去する助手をもう少しで殺しそうになった（2 回も）、（3）アメリカなまりの「失礼ですが、間違い電話 ですよ」という女性の台詞を電話越しに レコーディングするために、ロングアイランドに 住んでいる僕の高校時代の友人に ロバートが名前を出さずに電話をかけ、最後に 曲にオーバーダブして完成させた。 "Wrong Number"は、ちゃんと 仕上がって、「Galore」に収録された。 事実として受けとられているところでは、 「Staring at the Sea」以降の シングルをまとめたThe Cureの 1987年から当時までのシングル曲集だ。 曲は暫くの間、あちこちのラジオでかかった、 少なくとも当時のモダン・ロックの ラジオ局でね（WDREとかだったと思うが・・・、誰か 知ってたら、教えてくれよ）。 僕は、その年、ニューヨークの Irving Plazaでのハロウィーン・ショーで 彼らがプレイするのを見た。 バックステージで挨拶を交わしたりとかね。 でも、そんなものだった。 で、この7月になるまで、ロバートが 突然に電話してきて、2001年11月に リリースされる「Greatest Hits」のための 新曲を手伝ってくれないかと 聞いてくるまで、再び彼らからの連絡は なかったんだ。 僕にとっては、The Cureは、僕ら世代の 最もオリジナリティのある バンドの一つだし、それに ロバートは、使いふるされた 言い方だけれども、あらゆる意味で、本物のアーティストだ。 だから、もちろん僕は、電話を切る前にもう、荷作りを 始めていたさ。 もし、この機会を逃したら、結局のところ 2005年まで待たなければいけないかもしれないだろ？ バージンアトラック航空で、僕と 僕の自転車、ソフトウエアを 積んだ18ギガバイトのハードディスク ドライブと道具類は無事にヒースロー空港に 到着、そこで、Chelseaの小ぎれいなホテルまで 僕を運んでいってくれるバンと待合わせる。 こうして僕は、毎日、自転車で、Kings通りを 下り、Putney橋を渡って西へBarnesに入り、著名で 素晴らしいOlympic Studiosの僕らが 居を定めたスタジオ2へと通ったんだ。 ロバートはもちろんのこと、 Roger O'Donnell（キーボード）に、 Perry Bamonte（ギター）、 Simon Gallup（ベース）、 Jason Cooper（ドラム）の皆に 再び会えるのは素晴らしいことだった。 僕はものすごく運が良くて、滞在中の イギリスの天候は信じられないほどで、 地元の連中は、熱波に不満たらたらだが、 ニューヨーカーにとっては、全く完璧な夏の 天候だったのさ。 第一日目は、機材ケースに次々機械を据え、スタジオ全体を アンプやギター、ドラムやらコンピュータ機材等で 埋めて、バンドの機器類の構築を行った。 全てを整理して上手くいくようにするのと、あと編集に 必要なレンタル機材を注文するのに2、3日はかかった。 その上、ロバートのパソコンは、音楽編集ソフトウエアの ProToolsを最新バージョンに アップグレードしなければいけない段階で、状況は、科学 プロジェクト進行中という様相へと変わってしまった。 僕は、ソフトウエアLogic Audioで 僕らの作品の全てを仕上げようと 決めていたが、ロバートのパソコンのシステムでは、一度に たくさんのトラックの録音をさばくことが出来なかった。 そこで・・・、翌日に届いたのは、新品のパワーマックG4。 バンドは、ほんの数本のオーディオ・インターフェースしか 持っていなかったが、幸いなことに Apogee Electronics社の親切な連中が 24ビット8チャンネルのコンバーターAD-8000を何台か 接続してくれた（Shane、ありがとう！）。 おかげで最終的には、僕たちは、40の入出力を手に入れた。 ロバートのアップル・シネマ・ディスプレイの購入は、また、 ぐっと環境を容易なものにしてくれたね。 それに、すぐさま、僕を虜にしちゃった。 また、あの仕事から、僕は初めて、バーチャル・シンセを 使い始めたんだ・・・今じゃ、どうやら ハマってしまったようだよ。 僕たちは、3つの新曲の録音に取り掛かった。 "Signal to Noise"と "Just Say Yes"、そして "Cut Here"だ。 ダイレクトでLogic Audioへと 録音したことで、僕は、いくつかの違った ドラムのテイクや他にもいろいろ、何も失うことなく 編集することができた。 ジェイソンは、ループを 使ってプレイした、ほとんどは、MPC-2000を 使用して創ったものだ。 僕らは、録音毎に、最高の組み立てを 探そうと、アレンジを変えたり、いろいろな事を 変化させることができた。 ロバートの曲に対する考えが、毎日のように 変わっても、新しいアイデア毎に僕たちは、違った道を 辿り、時には保存したり、時には 消去したり、まったく「undo（やり直し）」に 栄光あれってね。 加えてバンドは僕に、僕がやりたいことは 何でも試みる自由をくれた。 ロバートの歌は、もうひとつの核心だ。 彼は、もう長いこと歌ってきて、自分が何を 求めているかを知っているし、それで、干渉は 最小限にして、単純に彼にまかせるのが 正しい選択だと僕には思えた。 彼がところどころで、何かしら 見過ごしているように思える時にちょっと 声をかける程度だ。"Wrong Number"を レコーディングした時、セッション中で、最高に 興奮したのは、ロバートがボーカルをやった時だった。 コンソールの後ろに座って、彼の歌を 聴くのは、まさに恩恵だ。 「あの」声だぞ、僕らがみんな知っている 数々の曲のボーカルが、世界中の誰もいまだ 聴いたことがない真新しい The Cureの曲の途中で、スピーカーから 溢れ出てくるんだ。 僕は、まさに部屋中を飛び回りそうになった。 それから、ロバートが、僕の興奮状態の度合を 面白がっていたのを覚えている。 今回のレコーディングでも全く違いは無かった。 とはいえ、今回は、ロバートは、僕のパンク風の 自転車用ショートパンツの方をより 面白がっていたと僕は確信してるけれどね。 またもや、僕たちは夜型になった。 僕たちは、午後の2時か3時から明け方の4時か 5時まで作業したんだ。 ほとんどのセッションの後、僕は陽が登る最中に ホテルへと自転車に乗って帰った。 ロンドン郊外の全く完全な静寂を 打ち破るのは、ヒースロー航空の 最初の飛行機だけだ。 初めの数日は、なんだか落ち着かなかったが、常に ざわめくニューヨークやOlympic Studiosの 騒音からの、歓迎すべき馴染みのある小休止になった。 またお馴染みになったのは、Putney Commonの 夜明けのたびに出会うキツネの家族だ。 最初、僕が近づくと、キツネたちは、ばらばらと 逃げていったが、一週間も過ぎると、朝の4時半に 自転車でホテルに向かう僕を 気狂いじゃないかとばかりに、ただ見つめるだけになった。 僕は、たぶんキツネたちの意見に賛成するよ。 僕たちは、"Just Say Yes"で、ロバートと デュエットする女性ボーカル、バンドRepublicaの Saffronを迎えた。僕たちは、ひとつのルームに、二本の マイクを据えて、彼らは一緒に録音した。僕は、ビデオカメラが あったら良かったのにと思うほど、それは本当に 素晴らしいパフォーマンスだったよ。 2、3週間も過ぎると、僕たちは、お決まりのいつもの手順を 作り上げ、時間と場所の感覚を失くしていった。 何時の間にやら僕は、KeithのStudio Threeの二階で ミキシングをしていて、その間、バンドは、アシスタントと 共に階下で制作を続けていた。 全てが終ったわけじゃなかったが、僕は 別れを告げ、ニューヨークに戻らなければならなかった・・・。 10月1日、 Mark Plati |
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last updated 2001 10 28
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