maybe tomorrow, maybe someday
	ロバートのインタビュー オーストラリアの雑誌「X-Press（9月29日 ／10月6日号）」より、抜粋＆編集版 訳：The Cure fan club "Want!" Earl Grey 編集室

■ 今年のほとんどを「Bloodflowers」のための ワールド・ツアーで過ごしているんですよね。 あのアルバムをライブでプレイすることは、どんな 感じだったのでしょうか？
		素晴らしかったよ、本当に。僕が今までに経験した、最も 楽しかったThe Cureのツアーだよ。 驚かされたよ。大いにね（笑）。 たぶん、僕がすごく好きな曲をプレイしているからだと思う。 ライブの方が好きな曲、どちらかというと暗いCureだね。 僕たちは、少し曲を長めにアレンジしているから、ショーの 時間は本当に長いけれど、僕らは、ものすごく入っちゃうんだよ。 それにまた、オーディエンスも素晴らしかったと僕は思う。 それはたぶん、僕らが何を演奏するのかに 関係してて、何故なら、僕らが雰囲気を 創り出しているんだから。 そして彼らは、本当に素晴らしいよ。 1989年のDisintegrationツアーが、The Cure ファンにとって、いつだって至極とされているが、今年の ツアーが進むにつれ、インターネットでのライブの レビューが、どんどん熱烈になっていったことに 気付いて、僕はかなり衝撃を憶えた。 今年のギグは、Disintegrationのツアーと同じくらいか、もっと 上という目も眩むような高みに達していたんだ。 ファンのみんなから、あれ以上高い賞賛を得られることはない。 最高だった。バンドは今や、うまくいっている。 このメンバーは、今、素晴らしいサウンドをもっている。 今のメンバーで一つのアイデンティティーを 確立したような感じだよ。 こうなるまでには2、3年かかったけどね。 でも、本当に最高だよ。 これ以上ないってくらい、本当に良い一年だ。

■「Bloodflowers」は、当初は、1998 年の中頃に予定されていましたね。1997 年11月にインタビューした時は、すでに、アルバム制作に かかっていたと思うのですが。何かしら遅れるようなことが あったのですか？
		（息を呑んで）なんてことだ、もうそんなに経つのか（笑）。 そうだよ、実際のところ、僕が考えていた以上に 長くかかってしまった。 実際には「Galore」をリリースした頃に スタジオ入りしたんだよ。 1997年だよね？ 僕たちは、2、3週間で、6曲くらいやって、僕は 突然に、僕たちがやっていることは、馬鹿げているという、目も 眩むような認識に囚われた。 僕たちは、レコーディングの半分くらいに 達するところだったけれど、僕は、全てをうっちゃったんだ。 だって、プロジェクトは、気の抜けた、間違ったものだったからだ。 僕は、数ヶ月の間、全てから逃れて休みをとり、1998 年にレコーディングに戻った。 判らないけれど、それは、ただ直感だった。 僕たちは、間違った方向性に向かっていると僕は思った。 それが判って、本当に良かったと思うよ。 だって、「Bloodflowers」は、結果として、とても 良いアルバムになったし、僕たちが 当初やろうとしていたことは、そうじゃなかった。 あとは、物事をあるべき方向に進めるだけだったんだ。 僕は、「Bloodflowers」に関しては少しばかり こだわりがあってね。僕たちは、延々とデモをやり、曲を 書き直したり、いろいろやった。 何故なら、僕は、スタジオに入る前に、ただそんなふうに 全てをもっていっておきたかったんだ。

■「Bloodflowers」は、「Pornography（1982 年）」と「Disintegration（1989 年）」を含む三部作の一端をなすと言われていますね。 これらのアルバムは、また、創作においての、こだわりも 同じなのですか？
		あぁ、そう言ってしまうのは、少しばかり、僕も不誠実だったかな。 そんなふうに位置づけたのは、The Cure ファンにあらかじめ、僕たちが、取り掛かっているものは、そんな 感じのモノだということを知らせたかったからだ。 「Pornography」や「Disintegration 」の系列で、「Wild Mood Swings（1996 年）」や、「Japanese Whispers (1983 年、企画盤）のスタイルではない・・・、 あるいは、「Mixed Up（1990年、リミックス集）」なんて ことは絶対にない。 それは、The Cureのより内省的な一面になるだろうということを 知らせたかったんだ。 それに他のメンバーに、僕が望んでいるのは「Pornography」と 「Disintegration」と共に「Bloodflowers」を 第3作とした架空の三部作なんだということを伝えるのに、いちばん 良い方法だった。 僕にとって、歌詞においては、「Disintegration」から、10 年の歳月が積み重なったようなものだ。 僕が、一度、立ち止まったところから 再スタートして、どれだけ、自分が進歩したのか 知りたかったんだ。 本当は、たいして進歩なんかしてなかったんだけどね（笑）。 昔と大して変わらないことに 夢中になっていることが判ったよ。 今までThe Cureがやってきたことを 抽出して、それを「Bloodflowers」の中に ぶち込みたかったんだ。 The Cureそのものっていうアルバムを創りたかった。 このアルバムは、僕が本当に好きなThe Cure のサウンドであって欲しかった。 アップビートで、ポップなものではない、むしろ 憂鬱なサウンドだ。

■「Galore」がリリースされた頃には、"Wrong Number"が、次の The Cureのアルバムはどんな感じのものになるかを量る 手がかりと見なされる可能性がありましたが、しかし、明らかに、 ニューアルバムはその例に従いませんでしたね。
		いいや、僕は、あの曲は、アルバム「Mixed Up」の "Never Enough"みたいなものだと見なしていた。 単なる脱線行為さ。 つまり、すごく面白かったけれど、一回だけの代物だ。 あの曲は、Reeves Gabrelsとやって、彼は、曲のサウンドに 多大な影響を及ぼした。 僕は、ほとんど、彼とドラマーのジェイソンだけで、仕上げてしまった。 即興的な演奏の中で、ただ浮かんだんだ。 結果は、魅力的な重厚感あるポップソングになった。 ある意味で、僕がさっき言ったように、 僕たちは、実際のところ、こういう方向性で行こうと、レコーディングを スタートしたんだ。 そして、僕は、これが僕たちが 本当にやるべきベストの事ではないと思った。 それは、ロックとダンスミュージックと他のものが 奇妙に混ざり合ったものだったんだ。 それは、ただ、うまくいかなかった。 何故なら、Reevesがいないと、どうも 良いサウンドにならなかった。 何年もかかって、僕は、The Cureが とても良くプレイすることができる、ある種のタイプの 音楽があるということを、ほぼ認めたし、その音楽が、僕が 全力を注ぎたいものだった。 過去においては、その時々で、僕たちは、まるで 別のバンドのようなフリをしようとしていたと思う。 それは、たぶん、僕が、僕らがやっていることに、確信を 持てなかった時なんだ。

■それはまた、例えば「Galore」のようなアルバムを 世に出すことへの反動でもありましたか？ あなたは、決して、シングルヒット曲の 作り手だとは、主張しませんが、あのアルバムは、シングル曲を 賞賛するものですね。 シングル曲に焦点を当てることは、何かしら、あなたが 抵抗するかもしれないことなのですか？
		少しはそうかな、と思う。 つまり、僕には、いつだって、反動主義者的な部分が あるからね。 「Galore」をリリースしたことは、しかしながら、かなり 現実的な決定だった。 「Galore」を出した時、僕の気持ちは、そこになかった。 何故なら、レコード会社は、グレイテストヒットを 望んでいたから、僕は、ひどく幻滅を感じてしまった。 僕は、「Standing On A Beach」の第2弾、このバンドによる、ここ 10年間のシングルをあるがままに 記録したCDというふうにしたかった。 僕は決して「Galore」を、グレイテストヒットやら、ベストオブなどと 主張しなかった。 レコード会社の連中は、素早く、これは、彼らが望んでいる、TVで 大きく宣伝するようなThe Cureのアルバムではないと見て取り、とても 穏やかに、あのアルバムを押しやった。 だから、あの一年をかけて、僕は、The Cureに対して、それから The Cureが象徴する全ての事に対して、本当に ちょっとした危機状態に陥った。 僕にとって、正しい方向性に進んではいなかった。

■「Bloodflowers」はまた、「Disintegration」の再現が 見て取れますね。何故なら、どちらもあなたが、ちょうど 切りの良い年齢になる節目の年にリリースされた。 「Bloodflowers」では、例えば"39" や、"The Last Day Of Summer"で、そのことが 読み取れるのですが、それは事実ですか？
		あぁ、それは、とても意識的な決断だった。 僕は、40歳に向かうにあたって、自分が 何らかの形で、そのことを記録して おきたいということが、判っていた。 僕は、曲のコレクションを書くこと以上に 良い方法はないと思ったんだ。 僕は、実際のところ、アルバムに入っている曲を、かなり 短い時間で全て書いた。 僕は、その時、僕がどんなふうに感じたかを 反映させたかっただけだ。 おかしなことに、僕は、40歳に向かいつつ、アルバムを 創る前は、かなり、不機嫌だった。 アルバムを制作する過程や、そして完成したもの、40歳になること、自分は 大きな挫折を経験したことがないと認識することで、僕は ずっと気分が良くなった。 レコードを創ることから僕が何かを感じられた 最後の時だった「Disintegration」以降、僕に 起っていなかった、カタルシスの陳腐な話だ。 普通は、もっと簡単なものなんだけどね。

■「Disintegration」当時に、あなたは、個人的な写真や 映像フィルムなどのコレクションを 捨ててしまいましたね。 後にその出来事によって書かれた曲が "Pictures Of You"でした。 あなたはこの頃では、変化に取り組んだり、うまく 時間を過ごしたりしていますか？
		うん、今回は、僕は、若かった時に、僕に 影響を与えたと判っている多くの古い本を読んだ。 僕は、どんなふうに自分が感じれるか 知るために、ちょっとばかり、自分のお気に入りの事柄を 再吸収した。 僕は、ほとんどを放り出したよ。 ある意味で、僕は、あの時と同じような状態に なったけれど、文字どおりというわけではなかった。 わざわざビデオテープやフィルムを投げ棄てたり、本を 窓から放り出したりしないで、もう自分が 必要としていないと思う僕が未だに持っていた いくつかの気持ちの支えを、心の中で、捨て去ったんだ。 いくつかは、テストを通ったけれど、いくつかは、ダメだった。 10年毎に、僕は、ちょっとノスタルジックな状態になることを 自分に許すんだ。 僕は時間を使い果そうとしているのか、それとも違うのか、物事を 振り返ってみる。 ことにこの10年間で、自分がいったい 何をしてきたのか、たくさん考えたよ・・・。 僕は、The Cureのアルバムで自分の人生を 区切ったりしない、アルバムを作っている時以外はね。 「Disintegration」以来、このバンドで芸術的に 独創的に何をやってきたのかを考えてみた。 そして、それが「Bloodflowers」へと導いた。 何故なら、40歳になる自分への区切りとなり、また 僕らがやる最後のことになるかもしれないこのアルバムを どういうふうにしたいか、判っていると思ったからだ。 僕の人生とか全てのことにおいて、ある一区切りの最後なんだと。 それら全てが、相まって「Bloodflowers」をいくぶん ノスタルジックで憂鬱なアルバムにさせたんだ。

■そうですか。 あなたは、たった今、ほのめかしましたが、 "Maybe Someday"という曲は、それとなく 語っていますね、最近のインタビューでもですが、でも ちょっと気配が漂っているようです。 今がまさにThe Cure が終わりを迎える時なんでしょうか？
		そうだな・・・。僕は、本当に、このバンドが、来年 以降にもっとライブをやるということは想像し難い。 本当にやるとは思えない。 みんな、それが判っていると思うよ、みんな真剣に 僕の気持ちを捉えている。 確かに、今年のみんなのプレイも、ツアーの雰囲気も、これが 最後になるだろうとみんな 思っているし、思わざるを得ないような感じなんだ。 もし本当に最後になっても嬉しく思うよ。 何故なら、自然な終わり方だと思うからだ。 「Bloodflowers」が最後のアルバムになるかは判らない。 何故なら、僕の気持ちの一部は、こんなにもバンドが 良い演奏をしている事が、無駄になってしまうと感じているから。 僕たちは、実際のところ、本当に一緒にうまくいっているんだ。 今、これを壊すような決定をするのはとても 馬鹿げているように思える。 だから、僕は、どんなふうにいくか見るために、僕たちは、いくつかの曲の レコーディングをしてみたらどうかと考えている。 でも、うまくいかなかったら、やらないだろうけれど。 何故なら、「Bloodflowers」は、終わりに 相応しいアルバムだから。 そのことを台なしにするのは嫌だ。 僕は、他の連中にやる気を起こさせるために 言っている事もある。 もしもただ、もうひとつのツアーやアルバムに 取り掛かったら、みじめなものになるだろうと思うよ。 だって、それが、このバンドといて悪いことだと知っているからだ。 情熱が完全に欠けていた。 信じようが信じまいが、答えはこれだと皆に言い、みんな 僕の言葉を信じて、僕自身も同じように本当に それを信じていたと思う。悲しいことだ。 本当にそれはとっても悲しいことだよ。 今年の終わり頃になれば、僕は寂しくなるだろうと 判っているけれど、本当に休まなければいけないと思う。 だって、そうしなければ、他の何もできないだろうから。

■あなたは、あなたの人生は、The Cureのアルバムで 区切られているわけではないと言いましたが、しかし、 周りの人々は、20年もの間、バンドは、あなたを 定義してきたと主張するでしょうね。 いずれにしろ、歩き去ることは 辛いことではないですか、離れ離れになるような感じが しませんか？
		あんまり感じないな。 何故なら、僕は自分のことを、今よりも、もっと、10年前に The Cureにいて歌っていた誰かとして考えていたから。 かなり自然に、僕の人生で、重要な事は いくぶん変わったんだ。 それをやっている時は、そのことが一番 重要なことなんだけれど、もう僕の時間全てを 費やすことではなくなっている。 だから、それゆえに、それは、僕の人生において 唯一無二の重要な事ではなくなった。 その意味で、僕は、以前に感じたであろう程は 今は、惜しむとは思わない。 もしも10年前に、誰かが、僕に「お前は いますぐ止めなければならない」と言ったとしたら、僕は「えぇ？ じゃぁ、僕は何をすればいいのさ？」という状態になったろうね。 音楽を創るのを止めるつもりはないんだ。 だって、ともかく、それはやるから。僕は、音楽を 演奏し、創ることが好きだ。素晴らしいことだと思うよ。 多くの人々が、僕たちが続けることを望んでいることは 知っている。 みんなが断固として懇願していることだが、しかし、僕に とって、ライブバンドにいることを止める 自然なタイミングのように思えるんだよ。 でも、もしも僕たちが、もうひとつのアルバムを作って、それが すごく良いものになったとしたら、そこにポイントがあるかもね。 もしも僕たちが、人々が聴きたいと望む音楽を創れるなら、それに 対しては、何の問題もないよ。

■ツアーのセットリストは、非常に「Bloodflowers」の曲が 強く打ち出されたもののようですが、また 今までもよくプレイされている昔の作品も 交ざったもののようですね。 そんなツアーをやっていて、多くの曲が 意味するものを取り戻すことができますか？
		あぁ、僕たちは、ツアーを 始める前に、ウエブサイトで、コンテストを やったんだ。 みんなに、ここ何年も彼らが僕たちが演奏したことを 聞いたことがない曲で、みんなが 聴きたい曲は何なのかを尋ねたんだ。 実際のところ、ベスト10のうち 8つまでの回答が、僕たちが、既に、リハーサルを やっていたセットリストに含まれている曲だった。 これは、僕らにとっても安心感を与えて、実際のところ、僕たちが 演奏しようと決めていたことは、みんなが 僕たちが演奏してほしいと願っていたことと、ほとんど 同じだったということが、とにもかくにも判ったんだ。 その時、このツアーは良いものになるとはっきり理解したんだ。 何故なら、僕は、ステージに上がって、半分は、みんなが 僕らがいったい何をやっているのか全く判らないようなモノを やろうとしていると思っていたからだ。 しかし、ほとんどのオーディエンスは、僕たちが 「Faith」や「Kiss Me...」からの古い曲を プレイすることに、本当に満足してくれた。 またああいう曲をやることは、素晴らしい。 そういったいくつかの古い曲には、僕たちは、今、僕らが それらの曲を演奏するなら、どのようにするか、ほんの少しだけ アレンジしようと、わずかに手を加えたんだ。 でも曲の個性はそのままにね。 いつくかの古い曲の特色は、本当に 良くって、演奏するのは、幸せなことだ。

■これだけの時間のあとで、オーディエンスが バンドと協調していることは、心地好いことですか、 それとも驚くべきことですか？
		そうだな。 僕たちの奇妙な現象は、オーディエンスの中で、僕らと 同世代のファンは、ほんのわずかのパーセンテージしか 留まっていないということなんだ。 初期の頃からの一途な何人かはいるんだけれど、 オーディエンスは、絶えず、より若い世代へと若返っている。 僕らがやっている全ての事が、新しい世代のThe Cure ファンを魅了するということは、素晴らしい。 僕自身を若い感性のままに留めてくれる。 あるいは、若いふりを続けさせてくれるか、でもそれは、 全く違うことだな（笑）。 でも僕らがやっていることは、ある種のタイプの人々を 魅了するものだと僕は思う。 僕は、それは年齢は関係ないことだと思うよ。 それに興味を持つようになるか、そうじゃないかだ。 君が16歳だろうが、60歳だろうが、僕らを 好きになるかもしれないし、好きにならないかもしれない、それは 君の感受性しだいだ。

■これが最後のアルバムのツアーになるかどうかは 別にして、あなたは、The Cure をどういうふうに憶えておいてもらいたいと 思いますか？
		（沈黙）なりそこないのポップグループかな。 本当に判らないよ。ただ誠実なバンドとしてかな。 上質なアルバムを創ったこと、そして、僕たちは いつだって、ずっと自分達自身のやり方で全てのことを やってきたということで、憶えていてもらえたら ということ以外は。 もしも僕がまた人生をやり直せるとしても、僕は、今と 同じ人生をおくるだろう。 それが最も重要な事のひとつだと思うよ。

■ほとんどの兆候が、The Cure の今年の終わりの解散を示唆する中で、あなたは、Dream Tour の合間の休みに、落胆して座り込んでいたわけではなかった。 それどころか、あなたは、過去に留意しながらも、未来を 包含する方向性に向けて、いくつかの新曲を書くことに 忙しかったそうですね。
		それが、まさに僕がこの夏やっていたことさ。 だって、だいたい2ヶ月間も休みがあったんだから。 もうひとつアルバムを仕上げられるくらい、かなり 書きあげたよ。 僕は実は、アルバム「The Head on The Door（1985年）」を 書いた頃はどうだったか立ち返ってみたんだ。 僕が引っ越しして以来、開けていなかったガレージの古い箱から 掘り出してきた、同じ機材を使ってね。 フォートラックや、様々な古いエフェクトペダルとか。 僕は、全部を繋いで、昔はこうやったんだなぁと思った。 実際、ひとつの曲を創るのに たった4つをつないで、まとめ上げなければいけない 信じられないくらい単純な方法に戻ることは、すごく良かった。

■ 「The Head on The Door」のアプローチに 見習ったのは、あのアルバムが 成功したからということではないですね。 でもたぶん、あなた自身が認める「Bloodflowers」の背後の 強迫観念に取り憑かれたような制作過程に対する 反動ではないですか？
		「Bloodflowers」は、最終的には、あたかも 全くシンプルなサウンドになっているように見えるが、実際、 書いていて、本当に技術的に複雑なアルバムだった。 僕は、実は初めて、家に完全なスタジオのセッティングを 持ち込んだ。 ジェイソンが送ってくれた本物のドラムのサンプルを使って、本当の アルバムを創るように、何もかもを演奏した。 ある意味で、それは悪いやり方で、何故なら、僕は 世界中の誰もがかつて聴いたことがないと僕が知っている 信じられない馬鹿げた事柄に取り憑かれはじめた。 エコーを事前に遅らせたりとかそんな類いのことだ。 振り返ってみると、どうやってあんなふうになったのかと思う。 それは、ただ僕の本性の一部なんだよ、本当に。 だから、たった4つの楽器と4つのトラックしかなく、もし 僕が何かを書きたいと望んだら、それが ある全てだと知ることで、通念に とらわれずにすむことは、すごく良いことなんだ。 それは、またとっても良い訓練でもある。

■ 世界中のThe Cure ファンが、じれながらも、ぞっとするような、解散するか しないかの謎に加えて、あなたは、その結果が、The Cure のアルバムになるか、ソロアルバムになるか はっきりさせないのですか？
		どちらにしろ、ともかく僕は、おそらく、バンドの連中に 演奏してもらうよ。 みんなとどんどん良い感じになっていくし、他の誰かに 頼まなければいけない理由も見当たらないしね。 今がソロ・アーティストになりたいと望んでいるのか、The Cure の別のアルバムを創るのか、本当に考えたいのかどうか。 僕にとっては、どんな音楽になるのかということが、もっと ずっと重要な事なんだ。何かしら他のことが出来るまでは、それが どう呼ばれようが、全く気にしていない。

■ 完全主義者のThe Cure ファンを喜ばせるニュースとして、The Cure のオフィシャルページによると、Dream Tour の10公演をCDとしてリリースする計画がありますね。 あなたは、Pearl Jam のアイデアをそのまま頂いたと笑っていますが、あなたは、海賊盤 製造者が引き受ける部分に 直接的に対抗するという思惑とは逆に、単純に この考えが気に入ったのですか？
		あの考えをサイトに載せた時は、たぶん 楽天的だったんだろうなぁと思うよ、いくつかの ライブを聴いた後では。 僕たちは、手始めに、ヨーロッパのバージョンと アメリカのを作ってみてから、ファンが もっと望んでいるか見てみるよ。 Pearl Jamと同じような計画だよ。 ちゃんとした一般的なリリースにはならないだろう。 僕たちは、できるだけ安くやるつもりだ。 たぶん、ウエブサイトを通して販売する、チャリティーものに なるだろうね。 みんなが思い出として、ちょっと 持っていられるような何かをやってほしいと 何千回も頼まれてきた、本当にただ、そんな交流の結果だからね。 僕たちがやったほとんどのライブが 隠し録りされるが、熱狂的なファンしか海賊盤を 買っていないと思うけれど、堪えられないような質のものばかりなんだ。 でもそれは、本当に、一般的な企画ではない。 そういう面には、本当に、あまり興味がないんだよ。 海賊盤業者と戦うことはちょっと難しい。 インターネットでの調査によると、僕たちは、過去において、最も 多くの海賊盤が作られたバンドのベスト10に入っているんだ（笑）。 これは、ただ僕たちのバージョンの企画だから、皆が 他の何処でも入手できないような、皆が僕たちのやり方を 支持してくれるような、いくつかの特別な おまけを付けるかもしれないよ。

■ 間近に迫ったオーストラリア・ツアーは、大成功を 納めた、アルバム「Wish」のワールド・ツアー以来、8 年ぶりです。オーストラリアのファンの興奮をご存じですね。 インターネットを通じて、Amplifier Bar で、ファン達が、The Cureに捧げるパーティを 開催することなども知っているそうですが、あなた自身も 同じように興奮していますか？
		あまりに長すぎたよね。 振り返ってみると、1996 年に何故、オーストラリアに来なかったか、憶えているけれども、 馬鹿げた理由からなんだ、本当に。 何もかもが長すぎたんだよ。 アメリカのツアーに16週間も費やして、だいたい、オーストラリアや 南半球での提案があった頃には、僕たちは お互いにうんざりしていて、それで、やらなかったんだ（笑）。 今回は、もっとプレイは少なかった。 アメリカで6週間に、ヨーロッパ全体で6週間しかやっていないから、みんな まだ、ライブ演奏をしたくって、うずうずしている。 オーストラリア・ツアーは、すごく 良いんじゃないかと思うよ。 2000年9月中旬ロバート自宅にて、電話でのインタビュー

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last updated 2001 01 05